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お盆のお参り

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2022.08.13

お盆のお参りについて

世間ではよく、お寺さんは「盆と正月」は一年で一番忙しいと言われることが多いです。
蓮通寺では、昔は年頭に「年頭参り」といって、門徒さん一軒一軒を回っていたのですが、五十年くらい前からは、大晦日に門徒さんたちがお歳暮参りといって、御堂にお参りされ、翌年に年忌があたってないか確認し、庫裡でお仏供米と志を納められるようになりました。お盆も御堂で「盂蘭盆会」をお勤めし、それに皆さん参詣されるので、一軒一軒まわるということはないのですが、他宗派のお寺(蓮通寺近くでは曹洞宗)や他の地域では棚経と言ったり盆参りといったりしておられ、大変忙しいのです。


棚経とは

棚経とは、盆棚、精霊棚の前で僧分が一軒一軒回って読経することで、京都では八月十三日までに六道珍皇寺にいき、鐘を三回ついて迎え火をもらい、家に持って帰り、前日に拵えをした盆棚、の提灯もらってきた迎え火を灯し、祖先をお迎えし、お寺さんが十三日から十六日までの間に一軒一軒回って読経し、十六日の送り火で、ご先祖がたはお帰りになるのです。
盆棚飾りは、お仏壇の前に高さの低い机を準備して、真菰で出来たゴザを敷いて、机の四方に竹を立てて縄を張り結界とします。そして提灯に見立てたホオズキ(「鬼火」とも言って、お精霊さんが迎え火や提灯の火を頼りとして集まると家荒れているので、ホオズキを提灯に見立てます)を吊るします。中央の奥には位牌をお祀りし、手前にご霊前とお供物(お迎えしする時には、米粉をお湯でこねて蒸し、砂糖を加えつきあげ、丸めて再び蒸すお迎え団子、十四日は餅米の白蒸しにし、それを十五日、十六日送り団子としてお供えします)と先祖の好物など)、中央手前に香炉、向かって右に燭台に蝋燭、向かって左に花瓶に生花をお荘りします。次にご先祖が早く家に帰ってくださるように、との思いを込めキュウリの馬を、ゆっくりお帰りになるようにと、ナスの牛を飾ります。そして細の目状に切った茄子、胡瓜、お米を水に浸した「水の子」、高野槙を数本束ねて水の上に浮かべた「閼伽水」(アカスイと言う仏様に供える水)を蓮の葉に乗せてお供えします。

浄土真宗では

浄土真宗にはお精霊さんという考えはなく、霊魂、魂と言うのは説かないとなっています。それは現世で悪いことをしていても例え一度なりとも念仏した人は、命終われば瞬時にたちまちに浄土に往生でき、残った家族や演者が追善の功徳を積んだり、供養をすることは必要なく、浄土に生まれた(往相回向)人は、常に現世の人に働きかけ(還相回向)流ので、一年に一度だけお帰りになるのではなく、常に一緒にいてくださるのです。だから盆店飾りを設えて、お迎え火を焚いてお迎えし、お盆が済んだら送り火で帰っていただくことはないのです。
だから、浄土真宗では盆棚飾りもいたしませんし、お迎え日をもらいにいき、お勤めし、送り火の日に送り出すことはいたしません。
だから、浄土真宗は楽で良いなあとか、手抜きやないかなどと言われることもああります。

世間通途の儀に準じて

浄土真宗では盆棚飾りも、棚経と呼ばれる、お寺さんがお参りして回ることは、基本的にはないのですが、所によってはお参りしてほしいと仰り、お参りするところもあります。私が大学生活を過ごした名古屋がそうなのです。名古屋は浄土真宗が極めて盛んなところで、全国一寺院数が多いのは名古屋のある愛知県で、4558カ寺あり、第二位の大阪府は3382カ寺、第三位の兵庫県は3282か寺、第四位の滋賀県は3203カ寺、第五位の京都府が3065カ寺で、一位と二位の差は1176カ寺もあり、ダントツの数の多さです。その愛知県では浄土真宗の東本願寺の末寺が多く、その次に浄土宗(尾張徳川家が帰依していました)と曹洞宗です。浄土宗や曹洞宗では盆棚飾りもあり、棚経も行われていて、浄土真宗の門徒さんもそれに釣られて、棚経とは申しませんが、お盆のお参りは行われています。他の地方でもそれにつられてかわかりませんが、お盆のお参りは行われているところが多いようです。それは競技云々ではなく世間で行われていることを、拒否することなく行うのも大切なことだと、本願寺を発展させてくださった八代目の蓮如上人が仰って他ことなのです。
学生の時、名古屋市の瑞穂区のお寺の井手伝いをしていて、お盆も時期になると、朝の六時から夜の八時まで、一日70軒あまり回るのです。長い法要で膝が痺れて痛くなることはありますが、一軒あたり五分少々のお勤めですが、70回すると、三日位すると痺れることは全くないのですがひざが痛くなってくるのです。

まとめ

蓮通寺では、門徒さんのお家全てを回るお盆参り(他の宗派では棚経)はないのですが、離れている門徒さん(京都、大阪、長浜の中心市街地)がたから、お参りしてほしいとの要望があるので、十二日、十三日、十四日の午前は、それらのお家にお参りしております。
名古屋の時のように一軒五分ではなく一軒あたり1時間くらいで、お経を読誦し、その後正信偈、念仏讃を一緒にお勤めします。
「恭敬の会」では、浄土真宗だからとか教義にはないからと言うのではなく、蓮如上人が仰った「世間通途の儀に準じて」を大切にしております。お盆に限らずいつでもお気軽にお参りを申し出てください。皆さんと一緒に手を合わせていきたいと思っております。その入り口が「恭敬の会」の送骨 訪問預骨、永代経、永代供養です。

恭敬の会 送骨 訪問預骨

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