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国葬

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2022.09.27

エリザベス女王の国葬について

先日、イギリス(大ブリテン及び北アイルランド連合王国)の国家元首であったエリザベス二世女王の国葬が執り行われました。世界各国から二千人もの国家元首や首脳が参列し、我が国の天皇陛下も参列されました。それは整然とした流れで行われテレビで見ていても、凄いと声が出てしまうほどでした。それは前々から念入りに準備され近衛兵の人達は何度も何度も練習を重ねていたからできたことでしょう。

エリザベス二世女王について

エリザベス二世女王は、1926年4月21日、イギリスのウインザー朝の王ジョージ五世の次男であったヨーク公アルバート王子の長女として生誕され、父のヨーク公が、その兄のエドワード八世が退位され、王になりジョージ六世となられたのにともなって王位継承権第一位となり、1952年2月6日ジョージ六世が崩御され二十五歳の若さで即位され、エリザベス二世女王となられ、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどのイギリス連邦の元首となられ、2022年9月8日96歳で崩御されるまで、70年にわたって統治されイギリスのために尽くしてこられ、国民に慕われておられ、9月19日に国葬として葬儀が行われました。
イギリスでエリザベス女王の国葬の前の国葬は第二次世界大戦に勝利したウインストン、チャーチルの国葬でした。

国葬は準備期間が

エリザベス女王は崩御されてから11日間で葬儀(国葬)が執り行われました。これは以前からいつの日か必ずくる女王の崩御に伴う葬儀について、随分以前からしっかりと緻密な計画が為され準備がなされていたと考えられ、近衛兵の練習も何度もなされていたから出来たことです。崩御されたスコットランドのバルモラル城から、エジンバラに移され、ホリールードハウス宮殿に安置され、一般市民の弔問を受けられ、そのごロンドンに移され、ロンドンでも弔問を受けられ、最長20時間かかって弔問する人もあるほどせした。この弔問の期間は日本で言えば通夜ということになり、二十四時間ずっとご遺体を守るのです。それは儀式ではないのです。
我が国でも凶弾に倒れられた安倍晋三元総理大臣の国葬が行われますが、七月八日に亡くなって、国葬の日付は九月二十七日で、八月二十六日に閣議決定で国葬が決まりました。決定から三十一日での国葬となり、一ヶ月で準備をするのです。イギリスの場合はエリザベス女王はイギリス国教会の首長でもあったので、イギリス国教会のキリスト教での葬儀でしたが、日本の場合は宗教色を出さないようにするということになっているので、難しいところです。

日本の前の国葬

日本では戦前は「国葬令」があり、大正十五年(西暦1926)十月二十一日、「国葬令」が公布され、国葬の規定が明文化されて、国葬令では第一条に、天皇、大皇太后、皇太后、皇后の葬儀は、特に大葬儀とされ、国葬で、第二条に、七歳以上で薨去された皇太子、皇太孫、皇太子妃、皇太孫妃及び摂政たる皇族の葬儀も国葬となり、第三条にその他「国家に偉効ある者」に対し、天皇の特旨により国葬を賜うことができる、とされていました。それによって天皇陛下はじめ何人もの方の国葬が行われ、国葬令以前では皇族以外では大久保利通、岩倉具視、島津久光、三条実美、毛利元徳、島津忠義、伊藤博文、大山巌、松方正義などで、国葬令以降は、李拓、東郷平八郎、西園寺公望、山本五十六、などです。
それが敗戦によって国葬令が失効となり、昭和四十二年(西暦1967)、吉田茂元総理大臣が当時のそい売り大臣であった佐藤栄作氏によって国葬とすることが決定し、「戦後日本の進むべき方向を定め、もっとも困難な時期における指導者としての責務を立派に果たされました。あなたはまさしく歴史が生んだ偉大なるせいじかであります」との弔辞で読み上げたように、吉田元総理の功績を踏まえて決まったことなのでした。
政教分離に基づいて宗教色を排して、昭和四十二年十月二十日に日本武道館で執り行われました。勅旨、皇后宮拝礼、皇太子殿下、皇太子妃殿下以下皇族の供花があり、三権の長、外国使臣ら五千七百人が参列しました。この時に初めて白い菊で祭壇を設営して、これ以降最近まで葬儀の祭壇というと白い菊の祭壇を設営されることになりました。

一般の葬儀では

一般の葬儀は、亡くなって翌々日に行われることが大半で、東京地方では火葬場が混んでいてなかなか順番が取れないから、翌々日に行えない場合もありますが、準備をしておくことはできないのです。だから色とりどりの花があることはできないのであり、いつでも野や山にいけば手に入る木の花(樒やチシャかけなどの「木花」供えるのと、お釈迦様が亡くなった時に咲いていた沙羅双樹が悲しみで枯れたことにつなんで、金銀の紙の花を立てるのであって、色とりどりの花、すなはち育てられる花は何月何日にと決められた儀式にい向けて、準備して育てられなくてはならないので、綺麗な色とりどりの花があるということは、亡くなるのを準備して待つことなのです。昨今は祭壇が菊だけでなく、葬儀屋さんの宣伝文句で「故人がお花が好きだったから」と言って、色とりどりの綺麗な花で設えられることが増えているのです、それは亡くなるのを準備して待っていることなのです。まして、棺に生の花を入れることは生き物を道連れに焼き殺すことになり、これは戒めなくてはならないのです。

まとめ

エリザベス女王の国葬も、安倍元総理の国葬も、あらかじめ準備しておくことができるのであって、それを一般の葬儀に当てはめることは間違いではないかと思うのです。それは本来の葬儀である仏教では「如来涅槃の儀を守る」という教えに沿ったものに戻していかねばならないのです。そうすれば負担は少なくて済むのです。このことは「恭敬の会」が行うことと同じで、僧侶がお伺いし、礼拝の対象となる三つ折り本尊を授与し、その前で丁寧にお勤めし、お骨を預かり納骨することは、負担は少ないのに如来涅槃の儀を守って、供養することなのです。恭敬の会の送骨、訪問預骨、永代経、永代供養は本来の姿を守ることです。

送骨 恭敬の会 訪問預骨

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