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恭敬の会の法要 修正会

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2023.01.07

お正月の行事、修正会(しゅうしょうえ)

恭敬の会を主宰している蓮通寺では、毎年元日の一月一日から三日まで「修正会(しゅうしょうえ)を執り行っています。
修正会は、元来年の初めの年頭にあたり、新たな年を迎えて皇室の弥栄を願い、鎮護国家、五穀豊穣を願って執り行われる節目の法会で、各宗派ともにおこなわれていて、上に橙を載せた御鏡餅を供え、お勤めを行い、浄土真宗においても本山を始め、各別院、末寺のほとんどにおいて執り行います。
昨今は、節目を大切にせず年中みな同じよいうになり、自分だけの都合、目先のことだけに捉われるようになり、人生や家族の節目でもある、葬儀、納骨についても軽んじるようになってきています。そこで恭敬の会では、節目を考え、目先、自分のことだけでないことに思いを致すことをしていきたいと思い、修正会について取り上げます。

修正会の歴史

修初会は中国において年始めに皇帝の長久を祈り、国の繁栄を願う儀式として鳥行われていたものが、我が国に伝わって奈良時代になると現在の正会の前身となる「悔過会」(けかえ)が行われるようになりました。悔過とは仏宝僧の三宝に対して懺悔(さんげ)し、前の年に自分が起こした過ちを懺悔することで罪が軽くなると考えられていたことで、新しい年に自らの罪を悔い改める法会で、奈良時代には、毎年安寧豊楽を祈願するためのものでしたが、平安時代になると、一年間の罪を懺悔して、新年の国家安泰や五穀豊穣を祈願するものへと変化していき、現在の修正会へとなっていきましった。

各宗派の修正会

天台宗では、年の初めに前年に犯してしまった過ちを仏前において懺悔し悔い改め、新年の除災招福、豊穣安穏を祈願する法会で、正月は「正す月」、平素の暮らしを省みて間違いを正し、過ちを慙愧して自らを養う機会といたします。
真言宗では、一月一日から七日まで執り行われ、各寺院で前年のことを反省して自分自身の間違いを正し、新しい自分となり一年の天下泰平や仏法の興隆を祈願する法要として行われます。
臨済宗では、元日から三日までの愚中の刻(午前十時)に勤められる法要で、新年を祝うとともに、天下泰平、仏法興隆、寺門繁栄を祈祷して、『大般若経』を転読され、大般若経の転読が不可能な場合には、『大般若経』の第五七八巻の「第十般若理趣分」を真読されます。三日には「正月の三日間の修正会が無事に満了して、一堂が退散する意味の「修正満散会」を、週正会を終えて後に引き続き勤められ、修正会回向にかえて修正満散会回向が誦えられます。
曹洞宗では、元日から三日まで「転読第般若」と呼ばれる祈祷が行われ、『摩訶般若波羅蜜多経(通称 大般若経)』の経文を読むことによって、その功徳で世界の平和や各参列者の平安などを祈祷する法会で、『大般若経』は六百巻あるので、略して読む転読という読み方をいたします。
日蓮宗では、新しい年の始めにあたり、その年の天下泰平や五穀豊穣、人々の幸福を願って執り行われます。
浄土宗では、除夜の鐘で前年の煩悩を取り除き、一年を反省したあとの清らかな心で修正会を行い、新しい年を迎えられたことに感謝し、新たな年の天下泰平や五穀豊穣、人々や社会の平和を祈願する法会として執り行われ、『無量寿経』などのお経を正月に誦えることで一年の平穏無事を祈ります。

浄土真宗の修正会

浄土真宗においては、他の宗派のように五穀豊穣を記念するということはいたしませんが、新しい年に仏の前で正しい心をもって自分を見つめなおし、無事に\新年を迎えられたことに感謝し、新たな年に念仏の生活が始まることへ気持ちを切り替え、仏恩報謝の思いっをもって新しい年を始める法会で、元日から七日にお勤めされます。
東本願寺では先ず、大晦日の晨朝過ぎに阿弥陀堂、御影堂(大師堂)内陣の掃除を済ませ、御歴代の御影を全て奉掛し、各尊前の御荘厳(打敷を掛け)、御鏡餅を阿弥陀堂中尊、親鸞聖人御真影には五五升取りの御鏡餅十枚、各尊前には二枚ずつをお供えします。
元日未明、本願寺門跡(今は門首)が自ら御真影の御厨子の御扉を開かれ、前卓に用意された大盃に「屠蘇酒」を献じられる「御献杯の儀」が行われ、元旦に阿弥陀堂(本堂)において、『漢音阿弥陀経』が門跡(門首)が直登高座され、真々読にてお勤めされ、御影堂(大師堂)にて、『正信偈』が真々読にて音止めされます。二日からはお勤めがすこし軽くなります。
西本願寺では、元旦六時より阿弥陀堂にて修正会が修正会作法と呼ばれるお勤めの仕方(頌讃、至心礼、和順章というお勤めで執り行われ、その後御影堂にて東では文類偈と呼ばれる『念仏正信偈』で大師影供作法という仕方で、「元旦会」が厳修されます。

蓮通寺の修正会

蓮通寺の「修正会」は、十二月に二十九日に門徒さんの世話方さん達が参集され餅つきを行います。直径一尺一升鳥の御鏡餅、三十二枚、四つ切りと呼ばれる二合半取りの御鏡餅を十枚、八つ切りと呼ばれる一合少しの御鏡餅を十二枚をついて、板の上においておきます。大晦日、御堂内陣の掃除の後、荘厳を整え、毎年お正月にだけ使う文化六年(二百十三年前)に調進むされた天女の打敷を掛け、御鏡餅を中尊七段一対、祖師前三段一対、御代前、太子高僧前、法名前二段一対をお供えします。大日堂は大日如来前に四つ切り二段一対、薬師如来前に八切り二段一対、大黒天前、弁天前に八切二段ずつ、書院床の間に正月にだけ奉掛する聖徳太子孝養間向き御影に八切り二段、鎮守の岩野神社に八切り二段をお供えします。
元旦、御堂で直登高座して漢音阿弥陀経を読誦して、下高座した後に正信偈をお勤めし、御文を拝読して参詣者に皆さんに年賀の挨拶をして、書院に移り聖徳太子の御影の前でお勤めし、大日堂に行きお勤めし、最後に御内仏でお勤めをしてからお雑煮を食します。天候によって人数は変わりますが御門徒さんも朝早くから参詣してくださり、年の初めの節目をいたします。

まとめ

修正会は、年の初めにあたり、自分の気持ちを引き締めるとともに、ご先祖、家族、地域、国家に対して感謝するのと、年の節目をとおして自分に与えられた役目を認識してあゆみ始めるためのものです。昨今は節目について大切にせず、昔はお正月の為に着物や服を新たにすることや、ご馳走であるおせち料理を作りお正月の間、そのおせちを食する、お店もお休みで、節目を祝うことでしたが、今は元日からお店が営業されてしまい、節目を大事にすることでなくなってきているのではないでしょいうか。これでは年中同じで節目がなくなってしまい、それによって御供養などもされずに済ませてしまうようになってきていると思えます。このままでは自分の都合のみになっていき、供養においても季節の節目もされなくなってしまうのではと危惧してしまいます。そこでせめて負担が少なくきちんと御供養を行う為に、恭敬の会では僧侶が訪れてお勤めしtからお骨を預かり、納骨して供養を行っていく「訪問預骨」を行うのです。

訪問預骨 恭敬の会

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