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我慢について

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2022.07.13

我慢tは

我慢するってよく聞くし 使われることがあると思いますが、
例えば、何かを買おうかと思っていたとして、今回は我慢しておこうか、とか、友達から何か言われて怒りが込み上げてきたけれど、今は我慢しておこう とかの使い方をして、自分の気持ちを抑制し耐え忍ぶときなんかに使うと思います。
ところで、この我慢の語源ってなんだと思いますか。

我慢の意味

我慢は、仏教の言葉からきています。
我が慢心といい、強い自己意識から起こる慢心のことです。
増上慢、卑下慢、我慢、邪慢の四慢心の一つ、又は慢、過、慢過、我、増上、卑劣、邪の七慢心の一つです。
仏教においては、人間を固定的な実態として捉えて、自分の自己に執着することを我執着(がしゅう)といい、その我執から自分を高く見て他人を軽視づるような心をいいます。
我意を張るというような強情な気持ちを表して、慢心とは驕り高ぶった気持ちと言え、現在我々が使っている自分を抑制して耐え忍ぶというのとは正反対の意味だったのです。

意味が反対になったのは

仏教の言葉の意味では、思いあがった昂る心だったのが、今では自分を抑制して耐え忍ぶ気持ちという全く反対の使い方になったのは、何故でしょか。
昔話の中にとある話があります。
ある人が小さな黒いものを見て、あれは虫ではなく黒豆だ、と主張したのです。ところが、その黒いものがモゾモゾと動き出したのです。しかし黒豆だと主張した人は、動いても黒豆だと強情に言い張って譲らなかった という話なのです。
その我慢心すなはち強情、それが強い気持ちととられるようになって、それが忍耐と変化していったようです。

悪い意味が良い意味に

奢りたかぶって人を見下すというような我が慢心という悪い意味であったのが、それを続けることによって、強い意志を示すことになり、それが耐え忍ぶという良い意味になるという変化は、その他のことでもありますし私も自分が体験いたしました。

私が仏教系の大学に入学し、仏教のことを学び出し声明作法を習って基本的なお勤めの仕方を学んで位きました。
父の弟で岐阜県のお寺の住職をされている叔父が里帰りされ、二人で話をした時、叔父は「坊主はお経だぞ、後ろ姿が大事」と言われ、私は少し
教学をならったのだけののに、「驚愕の理論を解いて説き伏せるのが大事だ」と主張したのでした、そんなある時、夏休みで帰省していて、門徒さんのお婆さんが亡くなり、お通夜(お通夜は儀式ではなく、夜を通して遺体をお守りし、葬儀を迎えるのであり、みんなで集まるから、お勤めしようということになっていった、だからお焼香はありません)に父や祖父とお参りしました。
私が生まれ育った近江の湖北(近江すなはち滋賀県は、琵琶湖を中心として、湖北、湖東、湖南、湖西の四つの区域で呼ばれる)は、浄土真宗が盛んで、門徒さんたち皆んなで正信偈(親鸞聖人が作られた浄土真宗の教えを要約して讃える歌で、浄土真宗では僧俗ともにこれを唱和する)をお勤めするのですが、門徒さんたちは昔からの門徒節と呼ばれるお勤めのしかたをされます。そこで私は言葉で言えば標準語のような位置づけの基本的なお勤めの仕方でないといけない、自分は正しいお勤めをできるんだ、という強い思い込みがあり、それは「我慢」の本来の意味である我が慢心だったと思います。それが門徒さんたち皆んなでお勤めする時に、門徒節を駆逐してやろうという思いあがった気持ちで、百人近くの人たちの声に負けないようにするためまり、大きな大きな声でお勤めをしました。
それを何回かのお通夜で行って続けていたら、門徒さんたちが、新発意(しんぼちと読み、新たに菩提心を起こした人という意味で、お寺の後継者の別名)は大きな声で
一生懸命に頑張ってお勤めしてくれる といいう声があがってきたのです。

自分の思いあがった心が

私は思いあがった悪い心で行い始め、それを継続して続けていたら、それが皆んなのために頑張ってくれると解釈してもらえるようになり、目から鱗が取れたようなスッキリ気持ちとなれ、様々なことがあっても一生懸命お勤めすることを大事にして、より綺麗に聞いてもらえるように稽古し、師匠に教えていただいたことを自分の考えを入れず、素直に聞き体得してお勤めとして表すことが第一で、後ろ姿を見ていただき教えを感じていただけるように努力しなくてはならないと思うような慣れました。

まとめ

よくない悪い心で行ってきたのが、人から評価され、それに気づき、継続して人の為になるようにするというのは、凄く大切なことで、恭敬の会で行う送骨、訪問預骨、永代供養、永代経は悪い心から始まったのではないですが、継続し人に理解してもらい広まる努力をして、沢山の人々に安心してもらえるようにして行かねばならないと思います。

恭敬の会

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