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朝飯前

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2022.07.08

朝飯前って

「朝飯前」って聞いたことや、自分が言われたことがあると思いますが、
すぐにできるや、簡単にできること、といった意味で使われることが多いように思われます。
ところで、本当の意味はなんでしょうか。

朝飯前は、文字通り「朝ごはんの前」のことで、朝ご飯の前に何かをを行うことなのです、その何かというのは、一般のお家では仏壇、お寺においては御堂で、朝のお勤めをしてお仏供(おぶっく)と呼ばれる仏器に盛り付けられたご飯を仏様にお供えします。

何故 朝ご飯の前なのでしょう

浄土教(浄土真や浄土宗や時宗も含まれる)では、古来一日を六時に分けてお勤め(六時礼讃という念仏三昧)おこなっていました。
六時とは
1、日没(にちもつ ) 午後二時時頃から四時頃
2、初夜(しょや  ) 午後六時から八時にかけて
3、中夜(ちゅうや ) 深夜から午前二時にかけて
4、後夜(ごや   ) 午前二時から五時にかけて
5、晨朝(じんじょう) 午前六時から八時にかけて
6、日中(にっちゅう) 午前十時から十一時にかけて

の六の区分で、
それぞれの時刻に法要を勤めるのです。





浄土真宗においては

浄土真宗においては
六時ではなく三時(逮夜、晨朝、日中)のお勤めをおこないます。

例月の平生の日においては、朝に晨朝を勤め、直後にお仏供を供えます。
お昼前にお仏供をお下げし、召し上がり、夕刻(お寺によって時間は違います)に 昏時(おゆうじとも言う)をお勤めします。
例月でも、毎月の宗祖親鸞聖人と前住上人との命日には、
午後に逮夜、朝に晨朝、直後にお仏供をお供えし、午前に日中のお勤めをし、お仏供をお下げし召し上がって、という三座の法要を勤めます。

その他、重要な法要(お正月の修正会、春秋の彼岸会、盂蘭盆会、住職等の年忌、
一般のお寺では永代経(祠堂ともいう)、親鸞聖人の報恩講)においても、逮夜、
晨朝、日中の三時にお勤めのし、特に報恩講では本山本願寺では初逮夜から始まり、七昼夜(足掛け八日間)の法要をお勤めし、
ます。
いずれにしても、朝のお勤めをしてからお仏供をお供えします。

まとめ

全ての人々が、六時のお勤めを行うことはできません(眠る時間もなくなってしまうかと思われます)ので、逮夜、晨朝、日中の三時にお勤めを行うことが望ましいのですが、日々の生活においてはその三時のお勤めを行うことはなかなかむずかしいのであり、寺院においても平生は晨朝と昏時のお勤めになり、一般の人々においてはお勤めを一日二回するのは尚更難しいのですから、せめて心が一番清らかな(どんなに極悪非道な者でも、朝目覚めてすぐにどんな悪事を行おうと思う人は居ません)時である朝に お参りしてから朝食をいただき、それから一日の業務(お仕事や学業、家事等、自分が行わねばならない事)にいそしんで過ごし、一日の終わりにも合掌し感謝することが大切で、一日の初めにお仏壇があるお家はお仏壇の前で、お仏壇の無いお家は家の中で、手を合わせ合掌し礼拝(らいはい)し、朝食を食べていただきたいと思うのです。
それが「朝飯前」の本当の意味で、大事なことでは無いでしょうか。

送骨された方も、恭敬の会で訪問預骨をされた方々も、永代経を納め手いただいた方々も、全ての方々が心が清らかな朝飯前に手を合わせていたきたいと願います。

恭敬の会

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