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祥月命日

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2022.09.16

父の祥月命日

九月十六日は、父の祥月命日です。平成十六年(西暦2004)九月十六日の午後、蓮通寺二十一世住職の「法名 寳德院釋圓導法師」が遷化し、十九日に葬儀を執り行いました。私はそれによって蓮通寺住職を襲職し丸十八年経ちました。この間自分では蓮通寺やご門徒、地域のためにと努めてきたつもりですが、なかなか思い描き目標を立てたことには届いておらず、歯痒さと周りに対する申し訳なさでいっぱいの思いでおります。

祥月命日とは

祥月命日とは、人が亡くなった日のことを言って、一年に一日だけで、私の父でしたら九月十六日を言います。それに対して毎月の十六日を月命日と言います。
浄土真宗でも他の宗派においても、月参り(月忌参り)をして、門徒さんの各家にお参りすることが多いのですが、祥月命日にはお内仏に打敷を掛け、荘厳を重くしてお勤めいたします。それは三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十五回忌、三十三回忌、五十回忌の年忌が当たっていない年には、年季に準じてという思いで荘厳を重くしてお勤めするのです。蓮通寺では、お内仏にも御堂にも打敷を掛け、杉盛華束を供えて、御堂で相導師の住職を招いて前住職、前坊守の祥月法要をお勤めいたします。

御堂での祥月法要

祥月命日前々日、父でしたら九月十四日、母でしたら八月七日の午後、御堂の内陣、外陣を清掃し、中尊(本尊阿弥陀如来)の前卓には水引に打敷を、上卓、脇壇の親鸞聖人の卓、外陣から向かって右側の余まの法名前の卓には打敷を掛け、中尊の上卓、親鸞聖人の卓、法名前の宅に杉盛華束をお供えします。
祥月命日の前日の午後には、先ず境内の梵鐘を七回撞いて、門徒さんたちに御堂に参集してくださいと呼びかけ、御堂では外陣で門徒さん方が焼香される香炉火をつけた香炭を入れ、内陣の各輪灯と菊灯に火を灯し(現在はLED)土香炉に燃香(お線香に火を点けて香炉の灰の上におく)し、上卓には焼香用の火をつけた香炭を入れ、中尊、親鸞聖人、法名前の鶴亀の燭台に立燭(蝋燭に火を灯して燭台に立てる)し、それらができたら点検して、後堂の外に吊るしてある喚鐘を撞いて、内陣に出仕し逮夜法要のお勤めが始まります。内陣のお勤めが済んだら、外陣で御文を拝読し、逮夜法要は終わりとなります。
祥月命日当日の朝、六時に梵鐘を十一(九番目と十番目は追い鐘と言って続けて撞きます)撞いて、御堂の唐戸を全部開け(平常は真ん中と、東側に一箇所だけ)、六時五十分に内陣の各輪灯、菊灯に火を灯し(現在はLED)土香炉に燃香(線香にひをつけ香炉の中に入れえ寝かせて置く)し、
点検したのち、喚鐘を撞き出資して、晨朝抱擁が務まります。内陣でのお勤めが済んだら外陣で御文を拝読し、そのあとお仏供を各尊前にお供えして、晨朝は終了です。
午前九時になったら、太鼓を叩き、法要に時刻を知らせ、そのあと梵鐘を九つ撞いて、門徒さんたちに参集してくださいと知らせ、御堂で外陣の香炉に火をつけた香炭を入れ産経してくださった門徒さんたちが焼香してもらえるようにし、内陣の各輪灯、菊灯に火を灯し(現在はLED)、上卓の火舎こうに火をつけた香炭を入れ、各尊前の土香炉に燃香(線香に火をつけ土香炉の中の灰の上に寝かせて置く)し、中尊前、親鸞聖人前、法名前の鶴亀の燭台に立燭(火を灯した蝋燭を立てる)し、全てができあガッたら点検し、後堂の喚鐘を撞いて、出仕し日中法要が務まります。法要が済んだら門徒さんに法話をし、これで小月名にの法要が終了します。


祥月命日の法要の次第

法要は、逮夜、晨朝、日中の三座をお勤めして、一つの法要が務まったことになるのです。御堂における祥月法要でもそれと同じです。それでは法要の次第は、
「逮夜」では、
先、出仕、次、総令(合掌)、次、伽陀 先請弥陀 次、仏説無量寿経 次、伽陀 萬行之中 短念仏 十遍 三重念佛 淘五三 和讃  添和讃 次、回向 我説彼尊 次、総礼、次、退出   御文拝読
「晨朝」では、
先、出仕 次、総礼 次、正信偈 念佛讃 淘五三 和讃  次第六首 次、回向 世尊我一心 次、総礼 次、退出  御文拝読 仏供奉供
「日中」では、
先、出仕 次、総礼 次、伽陀 瓔珞経中 次、仏説 観無量寿経 次、伽陀 萬行之中 次、仏説阿弥陀経 短念佛 十遍 三重念佛 淘五三 和讃  添和讃   次、回向 願以此功徳 次、総礼、 次退出    以上
というお勤めの内容になり、お内仏では御堂での晨朝の後に阿弥陀経をお勤めします。
お経は宗祖親鸞聖人が、浄土真宗の所依の経典は『仏説無量寿経』『仏説観無量寿経』『仏説阿弥陀経』の「浄土三部経」とお示しくださったので、年忌や祥月の法要では逮夜に『仏説無量寿経』を、日中には『仏説観無量寿経』『仏説阿弥陀経』をお勤めするのです。この順番は女度真宗の教義で三願転入ということがあり、それに沿ってタイヤと日中に分けてお勤めするのです。

まとめ

祥月命日は、一年に一度、年忌法要に準じてお勤めをして、亡き人を偲び感謝の念を表し今の自分が居させていただくことをよろこび、これからの生活の糧とするもので、みんながこれを行うことはなかなかできないのですが、お寺が自ら模範を示すことで、門徒さん方が少しでも、それぞれの先祖に思いを寄せていただけるきっかけになって欲しいのと、蓮通寺の先代の住職、坊守が一代頑張って守ってくれ、私たちに託されたことを思い出し、私たちも次に伝えていけるように思いを新たにする機会となっています。
「恭敬の会」は、毎年の祥月や年忌法要はなかなかできなくても、亡き人に感謝し思いを寄せていただいてもらうために、僧侶がお伺いし、礼拝の対象となる三つ折り本尊を授与し、その前で丁寧にお勤めし、その後お骨を預かり、納骨するのです。
それによって感謝の念と想いがつながっていけると考え、活動を始めたのです。
送骨 恭敬の会、訪問預骨 永代経、永代供養は、負担は少なく煩わし事もなく、人々の想いをつなげていきます。

送骨 恭敬の会、訪問預骨 

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